2017年1月10日火曜日

風夏

本気で自分を変えるその時に、この気持ちを思い出せる様に、ここに記す。




【0】序章


「風夏」―――――マガジンで連載してる漫画。
少し前までの俺はその程度にしか思って無かった。「絵が上手い」「女の子がかわいい」「エロい」「FT読んでるしついでに」・・・・そんな理由だけで毎週読んではいたんだ。





この作品に詰まっている「青春の理想の生き方」にも気づかずに・・・・・・・・






【1】起因

きっかけは他愛もない事だった。アニメが始まるというので、アニメも一応見よう。俺が読み始めた時にはもう秋月風夏は死んでいたから、アニメ化される部分は良く分からない。せっかくなんだから、1から読むことにした。

1巻・2巻・3巻・・・・・・と読み進めて行くうちに世界観に入り込む。俺は単純なので、漫画をちゃんと読めば大体面白いとは思うしのめり込むことはできる。でも、この気持ち・・・・・・
漫画を読んで、ここまで心に響いたのは久しぶりだった。少なくとも、ここ4・5年の中では1番だった。

読んでない頃の内容を知るためだったのが、このままずーっと読み進めたいと思うようになった。もう読み始めてて知っている話、でも初期の紆余曲折を知らない時に読んでいた。だから、全てを読んでからもう一度向き合ったら、本当の”良さ”がわかったんだ。

俺の言う心に響くってのは、心がとっても気持ちいい状態。だけど、「風夏」を読んだ後には、心に響くのとは別に、心にポッカリ穴が空いたような、辛い気持ちもあった。その理由はすぐ分かったし、いつも近くにいた現実だった。俺はそのことから逃げていただけだったって「風夏」は気づかせてくれたんだ・・・・・・・


いつもなら「そんなこと」って吐き捨てて切り替えていた。
・・・・・・・・でも、この辛い感情は、残しておきたかった。
だから俺は風夏を全巻買った。そしてこれを書き始めた。
そこまでする理由があった。





いつか自分の未来を変えてくれるから―――――――――







【2】意味

”夢”
俺には無かったもの。多くの人が叶えられなかった、もしくは追いかけることすらできなかった、しなかったもの。

それを持っていて、それに向かってひた走っているのが榛名優とBlue Wellsのメンバーだ。どんなに辛いことがあっても立ち上がって、仲間と一緒に上を向いて、ライバルと競い合って、厳しい試練・上からの苦言・他者からの侮辱に打ち勝って、夢を叶える為にバンドをやっているスマホも捨ててまで、高校を辞めてまでして・・・・

そんな生き方ができるのがうらやましいのもしれない。憧れているのかもしれない。純粋に凄いと思う。尊敬する。Blue Wells・The fallen moonに対しては。問題なのは俺だ・・・・・

こんな生き方 俺には 出来ない。過去も・今も・未来も。

とある機会にバンドの演奏を聴いた。「風夏」を読んでここで書いている通りの気持ちだったから精神的にキツかったし、ギター・ドラム・ベース・ピアノの演奏に盛り上がる自分を押し込んでいた。あの時、高校で軽音に打ち込んでいた奴の気持ちが少しはわかった気がした。
でも、じゃあ俺が夢を持ったとして、あそこまで本気になれるのか?心強い仲間が持てるのか?今までの自分を変えることが出来るのか?敷かれたレールを踏み外す一歩を踏み出せるのか?・・・・・・・とてもYESとは、答えられない。

そう、俺はろくな夢も持たずに、「明日はこれがしたい」「土曜はあのアニメが見れる」「来月のあのイベントにはいく」・・・なんて目先の欲求にばかり縋って生きていた。そしたらもう20歳だ。まだ若く時間はあるとはいえ、高校時代がそうだったように、これからも中身のない生き方をするんだろうか・・・・・





俺、何の為に生きているんだろう――――――――





こんな人生、なんの意味もない。空疎だ。

青春時代を無駄にしていたと気付いた後悔と、夢に向かっていく力の無い失望感と、未来の人生も変えられないという諦め。

来世がホントにあるんだったら、自殺したい。そう思った。



【3】理想/現実

優くんの人生には俺には無いものが詰まっている。
あんな濃密な恋愛はしたことない。現状俺は彼女を欲しいとも思って無い絶食系だ。

相思相愛の彼女を事故で失うなんて経験、現実ではまぁない事で。でも1ヵ月も引き籠る程に愛している・・・・そこまで愛せる女性と出会える運命・・・・・俺も欲しかった。

そこまでの想いを逆撫でするようなニコの言い方とか、踏みにじるような赤城の言い方とか。それに負けない心の芯は持っているかもしれないけど、俺はどうせ短絡的な実力行使。グーで殴る、気の済むまで。優くんの様に自分の想いの強さや本気度を行動で示して相手を認めさせるとか、出来ないや。

スマホを壊す・・・・優くんにとっては今までの自分との決別の意味もある。あの展開も非常に好きで、秋月風夏と同じ様にケータイを持たなくなった優くんが屋上で音楽を聴いてるシーンは言い表せない想いが込みあがってくる。
さすがに連絡手段としてのスマホは持つにしても、俺はTwitterもスマホゲームもやめれないだろう。今まで認めたくなくて目をそらしていただけかもしれないけど、俺はスマホに依存してた、逃避してたんだ・・・・・。スマホゲーやってると自分の愚かしさに惨めな気持ちになるようになったよ。「何やってんだろ、俺・・・・」って。

高校を辞める。僕達には音楽しかないから。
ここからなのかな、「風夏」で描かれる”生き方”に強い憧れを抱くようになったのは。
かっこよすぎるんだよね。音楽という夢の為だけに敷かれたレールを自ら踏み外せるんだもん。そこまで強い意志を持って夢に挑めるんだもん。みんなすげぇよ・・・・・・ここまで書いて感涙が出てそうになったよ。

武道館でのライブ。成人式でうちの市で大きめのアリーナに行って思った。
大きなホールで、何人ものオーディエンスに視線を送られる。5人だけの舞台の上で。考えただけでも卒倒する。俺にそんなの耐えられない。ガッチガチになっておわり。
そんな途方もない緊張が待っている場所に、The fallen moonの4人はあんな覚悟の決まったいい顔をして向かっていったんだ。そして5人で最高のライブをして見せた。秋月風夏のとびっきりの笑顔が見れたんだ。この時の4人の姿は思い出しても放心する。凄すぎるよ・・・・

・・・・そう。俺には出来なかった「最高の青春時代の生き方」。それが「風夏」という作品には詰まっているんだ。

今まで俺が読んできた漫画って、面白くても、超感動しても、非現実な世界観だったり何だりで、自分と重ね合わせる事は無かったんだ。でも「風夏」のストーリーは自分と重ね合わせて、心が共振した。それが多くの感動を味あわせてくれたと同時に、今まで俺が取り繕って隠してきた、見て見ぬふりをしてした自分の弱さを痛感させられた。





自分の弱さを知った時、心がとても辛かった―――――――





【4】良き

俺は音楽アーティストの生き方が好きなのかもしれない。好きな音楽の世界で、自由な表現ができる生き方が。
「風夏」で心に残るのはそういった生き方のこと。他にはライブシーンがある。
学園祭のアンチを黙らせたライブも、武道館の伝説も、山中湖の奇跡も、「不可能」を覆して大熱狂の風が吹くのが堪らなく感動する。他にも多くの演奏で感じる”ガチッとピースがハマった時の圧倒的な魅力”。そういうのが大好きだ。だから期待が膨らんで仕方がない。これからBlue Wellsは、どこまで俺のハートを高ぶらせてくれるのだろう!!

「風夏」は作者はあの瀬尾公治さんだし”恋愛”がメインだと思ってた。そういうのもあって碧井風夏との恋愛模様は元々楽しみにしていて、俺としても碧井風夏は数ある2次元の女子を差し置いて今1番愛しているキャラクターにまでなった。最近の本誌のくだり(初詣!の回とか)はとても悶えた。「The fallen moon時代を超える曲・歌詞」の深くて重要な意味も過去の内容を熟読して良く分かった。ここに葛城桜が関わってきたのもバッチリ理解が出来た。いい展開だなぁ

でも、「風夏」は”恋愛”と”バンド”の両方が同じくらい大事なテーマだってようやく分かることができました。どちらかがぞんざいになってもいけない。双方向のストーリーだからこんなに心のディープな部分に刺さるんだなぁって。





この漫画は、本当に良い漫画です!








【5】再起。そして未来

さて、俺は「風夏」を通じて己の弱さ・無力さ・歩んできた人生の不毛さを苦しい程に感じた。心に一本槍が奥深くまでグザァと刺さった気分だ。悲しいんだよ。




・・・・・それで終わっていいのだろうか。優くん達の眩い輝きを前に自分を嘆くだけなのか?




優くんも辛い思いで済まされない傷を負った。でも再起したんだ。那智先輩も沙羅さんも三笠くんも碧井風夏もそうだ。みんな心の傷を、辛い思いを乗り越えてバンド活動をしている。夢に向かって突き進んでいるんだ。

優くんは根暗ツイッタラーからあそこまで変われたんだ。俺でも惚れるくらいに勇敢で、強い信念をもったベーシストに成長したんだ。




生き方に憧れを抱いているんだろ?だったらそこから学んで、自分に生かすんだ―――――





「風夏」は人生が最高に輝いていたって言えるような生き方を教えてくれているんだ。辛さは乗り越えられることも、人は変身できるってことも。
俺はまだ20歳。世間一般では若者だ。こんな所で諦めて堕落しちゃダメなんだ。

中身のない青春時代を送った?夢を持たずに生きてきた?敷かれたレールに沿うだけのノーリスクの人生だった?今までの俺は自分を変えられなかった?

そんな過去のこと、ウジウジと嘆いていても、人生は待ってくれない。



「いつまでも振り返ってたら躓いちゃうよ? しかっり前だけを見て歩いてね!」




俺は、人間は前に進むことが出来る。それを止めたら、未来は明るくなんてならない。

今は敷かれたレールの上に居て、夢もなければ自分を変える力もない。それでも俺は諦めず進んで行くんだ。優くん達のような理想の生き方じゃなくてもいい。人生の終焉で振り返った時に「全力で生きることができた。もう悔いはない」って心から言える生き方が出来るようになる為に!!





だから・・・・・






”生き方”の手本が載っている「風夏」は俺にとっての人生のバイブルだ。もう一生忘れてはならない、俺の人生の一部になる―――――――――――――





それと―――――――






俺はBlue Wellsを応援し続けます。彼らの夢への挑戦を見届ける!!





【6】メッセージ

「風夏」は、夢に向かって頑張る人なら絶対共感できます。夢がない人は、夢を追う素晴らしさを体感できます。青春真っ盛りの人、これから青春が待つ人は読めば青春がもっと豊かな時間になるし、青春が過ぎ去った人でも変わるキッカケになります。

この漫画は誰でも好きになることが出来る漫画だと思っています。そしてなにより、人生が豊かになる。それだけのメッセージが込められています。

少しでも興味が沸いたのなら、一度手に取って貰えると嬉しいです!













・・・・・・・・さて、就活頑張るか・・・・!